両国の名前がこれほど似ているのは、単なる歴史の偶然であり、語源となった言葉の意味は実は正反対です。
オーストラリア(Australia)の語源は、ラテン語で「南」を意味する「Terra Australis(テラ・アウストラリス=南の未知の大陸)」に由来します。古くから西洋の人々は「北半球に対抗する巨大な陸地が南半球にあるはずだ」と信じており、19世紀初頭に探検家マシュー・フリンダースが大陸周航を果たした際、この大陸を「オーストラリア」と呼ぶよう提唱したことで定着しました。
一方、オーストリア(Austria)は、ドイツ語における正式名称「Österreich(エスターライヒ)」をラテン語風に音訳した言葉です。このエスターライヒとは、古高ドイツ語の「Ostarrîchi(オスタルリヒ)」に起源があり、「東の国・東の領土」を意味しています。フランク王国から見て東方に位置していた辺境伯領だったことから名付けられました。
つまり、オーストラリアは「南」、オーストリアは「東」を指しており、意味の面でも何ら関係性はありません。言葉の響きが偶然似通った結果、現代の私たちが頭を悩ませる要因となっているのです。