日本の少年スポーツ団体では、保護者の過度な負担が長年問題視されてきた。お茶当番、配車当番、役員会議。共働き世帯が増える中、これらの「見えない義務」が子どもをスポーツから遠ざける要因になっている。
オール東サッカークラブは2018年度を境に大胆な改革を実施した。保護者会の役員制度を完全に廃止したのだ。従来の会長、副会長、会計といった役職はなくなり、代わりに各学年カテゴリーごとに「班長」を置く簡素な体制に移行した。班長は連絡事項の伝達や簡単な調整役を担うが、重い責任を負わない。
さらに画期的なのは、お茶当番と配車当番の完全撤廃だ。試合会場への移動は各家庭の判断に委ねられ、現地集合・現地解散が基本。飲み物は各自持参。このシンプルなルールが、保護者から「参加のハードルが下がった」と高く評価されている。ある母親は語る。「仕事を休まなくても、子どもがサッカーを続けられる。これが本当に助かる」
保護者全員参加型の協力体制
役員制度を廃止したからといって、保護者が無関心でいいわけではない。オール東サッカークラブでは「全員で少しずつ」という哲学のもと、必要な時に手が空いている保護者が自然に協力する文化が根付いている。特定の人に負担が集中しない仕組みだ。
試合のスコア記録、グラウンド設営、写真撮影。これらは当番制ではなく、その日参加できる保護者が自主的に担当する。強制ではないが、結果として多くの保護者が何らかの形で関わっている。これは義務感からではなく、我が子の成長を間近で見たいという自然な欲求に支えられている。