稀崎優の作品群の中には、『裸神の誘惑』や『KISS』といった、R18区分の指定を受けた過激な表現に踏み込んだ写真集も存在する。これらは当時の出版倫理基準とせめぎ合いながら制作された。
1990年代中盤の倫理規定は非常に複雑であった。露出度と表現の芸術性が常に秤にかけられていた時代である。『裸神の誘惑』では、ストレートな官能性を追求しつつも、構図の気品を損なわない編集努力が払われた。
『KISS』の2点セット販売など、パッケージとしての魅力も追求された。単なる刺激の追求にとどまらず、所有欲を満たす装丁やレイアウトが施されていた点は、現代のファンタジーや美学に通底するものがある。