形による使い分けも興味深い。「おむすびは三角形で、おにぎりは丸形や俵形」という説を聞いたことがある人も多いだろう。しかし、地域ごとの実態は一筋縄ではいかない。
関東地方では歴史的に三角おにぎりが主流を占めてきた。一方で関西地方では、かつて幕の内弁当に入れやすい俵形や、家庭で握りやすい丸形が深く愛されてきた背景がある。現在では全国的に三角形が浸透しているものの、地域の家庭料理や伝統的な祭りにおいては、依然として丸形や俵形が根強く残っている。
農林水産省の食文化データベースや各種意識調査を見ても、明確な地理的分界線が引かれているわけではない。むしろ家庭ごとの慣習や、地域の歴史的背景が複雑に絡み合いながら、多様なスタイルが受け継がれているのだ。