太陽光が届かない水深1,000メートルの無光層。そこは、自ら光を放つ生物発光の主戦場だ。クラゲや深海魚が発する青緑色の閃光は、仲間とのコミュニケーション手段であると同時に、襲撃者を混乱させるシールドとしても機能する。
ルシフェリンとルシフェラーゼによる化学反応が瞬時に生み出す光は、熱をほとんど伴わない「冷たい光」である。捕食者が近づいた瞬間に爆発的な光を放ち、相手の視界を奪って逃走する深海エビの行動は、まさに水中の閃光弾と言える。暗黒の底で繰り広げられるこの光の攻防は、観る者の息を止めさせる迫力だ。