現金の取り扱い負担を背景に、フィンテック・キャッシュレス決済を導入する社寺が都市部を中心に増加している。鳥居の脇にQRコードが掲示され、PayPayなどのスマートフォン決済でお賽銭を奉納する光景も珍しくなくなった。
この変化に対しては、YouTubeの街頭インタビューやSNS上で激しい賛否両論が巻き起こっている。「現金を触らず衛生的で便利」「手数料問題の救世主」と歓迎する若年層がいる一方で、「手触りのある硬貨を投げてこそ心が洗われる」「ご利益が薄れそう」という情緒的な抵抗感も根強い。
だが歴史を振り返れば、かつてのお賽銭はお米や絹、農作物そのものだった。時代が貨幣経済へと移行したことで硬貨を投げる文化が定着したにすぎない。キャッシュレスもまた、時代に応じた奉納の形態変化の一環と捉えることもできる。