医師や薬剤師が一貫して「コップ1杯の水、またはぬるま湯(白湯)」での服薬を指導するのには、単なる化学反応の回避にとどまらない生理学的な理由が存在する。
薬は胃の中で崩壊・溶解し、小腸で吸収されて初めて本来の薬効を発揮する。十分な量(約150ml〜200ml)の水とともに服用することで、錠剤やカプセルが食道粘膜に張り付いて潰瘍を作る「薬剤性食道炎」を防止し、胃壁を保護しながら速やかに消化管へと送り届けることができる。
わずかな水滴だけで薬を飲み込む行為や、冷たすぎる氷水で胃腸を急激に冷やす飲み方は、薬の溶出速度を狂わせる原因となる。体温に近い白湯こそが、薬効を100%引き出す最も確実な媒体なのだ。