ニューファンドランドの類まれな資質を理解するには、その過酷な発祥の地を知る必要があります。原産地は北米大陸の北東部に位置するカナダのニューファンドランド島。北大西洋の荒波と氷点下の過酷な気候に囲まれたこの島で、先住民族の犬と入植者が持ち込んだ大型犬が交配され、漁師の作業を助ける使役犬として発展しました。
彼らの最大の武器は、冷たい海でも体温を奪われない分厚いダブルコート(二重構造の被毛)と、指の間に備わった「水かき(蹼膜)」です。強靭な筋力と持久力、そして高い泳力を持つ彼らは、海に流された漁網の引き揚げや、船から転落した人間の救助に力を発揮してきました。
現在でもヨーロッパや北米を中心に超大型犬の水難救助犬として公式に配備され、人命救助の現場で活躍しています。「水を見たら飛び込まずにいられない」という強い本能と、他者を守ろうとする自己犠牲的な気質は、数百年におよぶ厳しい労働の歴史の中で培われた固有の財産です。