松来未祐さんの命を奪った直接の死因は、極めて重篤な難病である「慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)」およびそれに伴う悪性リンパ腫でした。
EBウイルス自体は成人の9割以上が体内に保有している一般的なウイルスですが、ごく稀に免疫システムをすり抜けてリンパ球に持続感染し、高熱や臓器不全、悪性腫瘍を引き起こすのがCAEBVの特徴です。早期診断が極めて難しく、当時は一般医療現場での認知度も高くありませんでした。
松来さんは亡くなる数年前から原因不明の発熱や体調不良に悩まされながらも、痛みを隠して笑顔でステージやアフレコに立ち続けていました。2015年6月にようやく確定診断が下り、骨髄移植などの懸命な治療に挑みましたが、病魔の進行を食い止めることは叶いませんでした。
四十九日を迎えた後、松来さんのご遺族と事務所は病名を公表しました。「自分と同じ病気で苦しむ人を一人でも救うため、早期発見のきっかけにしてほしい」という松来さん本人の強い願いが込められた決断でした。この公表を機にCAEBVの認知度は劇的に向上し、研究支援チャリティイベントが開催されるなど、彼女の遺志は医療現場の未来を大きく前進させる力となりました。