日本のペット市場において、「小さいこと」はそれだけで絶対的な価値を持つ。タイニーサイズ、ティーカップサイズ、さらにはマイクロティーカップ。まるでスマートフォンのスペックを競うかのように、犬のサイズは細分化され、小さければ小さいほど価格は跳ね上がる。100万円を超えるプライスタグがつくことも珍しくない。
しかし、JKC(ジャパンケネルクラブ)などの主要な血統書発行団体において、「ティーカッププードル」という犬種は存在しない。彼らはあくまで「規格外に小さなトイプードル」に過ぎないのだ。標準から外れた個体を意図的に掛け合わせ、無理にサイズを固定化しようとする試みが、どれほど生命のサイクルに負荷をかけるか。売る側と買う側の思惑が一致した結果、歪んだ繁殖ビジネスが成立してしまっている。