現在、テレビドラマ業界と日本映画界は大きな地殻変動の渦中にある。地上波のフォーマット化された作品から、作家性を前面に押し出したストリーミング作品へのシフト。その境界線上に立つ彼女が最も渇望しているのは、記号化されたキャラクターではなく、生身の矛盾を抱えた人間を描くヒューマンドラマだ。
善悪では割り切れない人間のエゴや、言葉にならない孤独をスクリーンに焼き付けること。彼女の身体を通すと、ありふれた日常の風景が途端にサスペンスや抒情詩へと変貌する。表現の枠組みがグローバルに広がる中、彼女の放つローカルかつ普遍的なリアリティは、国内外の映像作家にとって抗いがたい魅力を放ち続けている。