白髪にまつわる言説の中には、医学的根拠のない俗説や、かえって頭皮環境を悪化させる危険な行動が潜んでいます。代表的な2つのトピックについて実態を整理します。
「見つけたら抜く」が絶対にNGな医学的理由
鏡を見て思わず毛抜きで抜いてしまう人がいますが、白髪を抜くのはNGな理由として最も深刻なのは、毛包(毛根を包む組織)の物理的損傷です。一本の毛穴からは通常2〜3本の髪が生えています。無理に引き抜くことで毛根内部が炎症を起こし、隣接する正常な黒髪の毛母細胞まで傷つけてしまうリスクがあります。最悪の場合、毛根が繊維化して髪そのものが二度と生えてこなくなる「牽引性脱毛」を招くため、気になる場合は根元から眉用ハサミでカットするのが鉄則です。
白髪サプリメントの評判と現実的な効果
近年ネット広告等で見かける白髪サプリメントの評判ですが、「飲むだけで生えている白髪が真っ黒に戻る」といった劇的な効果を謳うものは誇大広告と捉えるべきです。一度完全にメラノサイトが枯渇・消失した毛根を内服サプリだけで蘇らせることは、現在の毛髪医療でも困難とされています。ただし、亜鉛やビオチン、L-シスチンなどの栄養素を補給し、これから生えてくる毛髪の育成環境を整える「土台づくり」としての意義は十分にあります。