かつてない激動期を迎えている日本の農政。食料自給率の低迷が長年叫ばれる中、輸入依存からの脱却と国内生産基盤の維持という矛盾に満ちた課題に立ち向かうのが、事務次官をはじめとする最高幹部たちだ。事務方の頂点として省内を統率するだけでなく、財務省との過酷な予算交渉や、与党族議員との泥臭い調整を一手になぎ倒していく政治的センスが求められる。
特に近年、注力されているのが「食料安全保障の確保」と「先端技術を駆使したスマート農業推進」の二大柱だ。従来の護送船団方式的な農政手法からの脱却を掲げ、大規模化やAI・ドローンを活用した生産性向上を強く推進する。こうした強烈な推進力の背景には、長年にわたり主要局長や官房長を歴任し、現場の泥に塗れながらも霞が関の主導権を握り続けてきた凄腕官僚たちのキャリアがある。