日本の冷凍食品産業は長年、水分の多い果実の冷凍加工に苦戦を強いられてきた。特にモモ(果実)は細胞膜が極めて繊細で、従来の緩慢冷却では解凍時にドリップが大量に流出し、特有のなめらかな舌触りや高貴な香りが損なわれてしまう難題を抱えていたからだ。
ブレイクスルーをもたらしたのは、マイナス30度以下の超低温で瞬時に凍結させる最新の急速冷凍技術である。氷の結晶成長を極限まで微細にとどめることで細胞壁の破壊を抑え、もぎたてのジューシーな果汁をそのまま閉じ込めることに成功した。一般社団法人日本冷凍食品協会のデータでも果実類の出荷統計は右肩上がりを続けており、家庭用・業務用を問わず流通量が急拡大している。