2016年にリリースされたミニアルバム『たりないふたり』は、当時の日本のヒップホップシーンにおいて極めて異端な存在だった。王道のストリートカルチャーや不良の美学とは一線を画し、自らのコンプレックスや社会適応の不全さを武器に変えたCreepy Nuts。その象徴的リード曲となったのが本作だ。
メジャーデビュー前のインディーズ期からソニー・ミュージックエンタテインメントとの契約を経て世界へ羽ばたくまでの過程で、この曲が果たした役割は計り知れない。「アングラなヒップホップの文脈」をポップス領域へ持ち込み、なおかつコアなヘッズをも唸らせる技術的完成度を提示した。音楽業界における彼らの立ち位置を決定づけたのは、紛れもなくこの一曲が放つ強烈なインパクトだった。