名鉄百貨店本店の建て替えに伴い、地元民が最も固唾を呑んで見守っていたのが、メンズ館前の歩道に立つ巨大人形「ナナちゃん人形」の処遇です。1973年(昭和48年)にセブン館(後のヤング館、現メンズ館)の1周年を記念して設置されて以来、身長6メートル10センチ、体重約600キロの堂々たる体躯で名駅の「顔」として君臨してきました。
季節ごとに替わる奇抜な衣装や企業タイアップのコスチューム、時にはアゴが外れたり全身から煙を吹いたりと、SNS時代のバズを生み出し続けたナナちゃんですが、建物の解体工事に伴い「そのまま撤去・解体されてしまうのではないか」という悲鳴にも似た噂が広がっていました。
結論から申し上げますと、ナナちゃん人形が廃棄・消滅することはありません。関係者への取材および発表によると、工事期間中は安全確保のため慎重に台座から取り外され、専門のメンテナンス工場にて経年劣化したFRP(繊維強化プラスチック)ボディの精密修繕と耐震補強が施されます。工事期間中は一時的に保管施設へ退避、あるいは名古屋市内の関連施設やイベント等への「期間限定の特別出張」が検討されており、再開発完了後に誕生する新たな複合ビルにおいて、再び街のシンボルとして再設置される方向で計画が進められています。半世紀にわたり市民の待ち合わせ場所として愛されてきた彼女は、数年間の「お色直し休暇」を経て、再び名駅の地に降り立つ手はずが整えられています。