一見すると、宮崎駿監督が創り出す緻密で荘厳な世界観と、軽薄とも言えるネットミームは対極に位置するように思える。しかし、まさにその落差こそがミーム化の原動力となっている。圧倒的な芸術性と完成度を誇るファンタジーアニメだからこそ、一端を崩された時の滑稽さが際立つのだ。
画面の隅々まで意図が行き届いた構図、キャラクターの独特な表情やポーズ。これらは視覚的記号として極めて強力だ。記号としての強度が強ければ強いほど、別のコンテクストに切り貼りされた際のインパクトは増大する。巨匠が生み出した完璧な芸術作品が、皮肉にもミーム制作者にとって最高のキャンバスとなっている。