さいとう・たかを氏の実績は『ゴルゴ13』だけに留まりません。ジャンルを問わず、後世に語り継がれる大ヒット作を次々と世に送り出しました。
なかでも代表的な作品が、池波正太郎氏の傑作時代小説を劇画化した『鬼平犯科帳』です。江戸情緒の細やかな描写と、火付盗賊改方・長谷川平蔵の情に厚い人間味を圧倒的な筆致で描き切り、『コミック乱』の絶対的看板として現在も高い支持を集めています。
さらに、大災害によって文明が崩壊した世界を少年が単身で生き抜く『サバイバル』は、極限状態における人間の心理描写と実用的な知識が詰まった不朽のサバイバル漫画として、世代を超えて読み継がれています。その他にも『無用ノ介』や『影狩り』など、過酷な運命に立ち向かう男たちのドラマを描き切る筆力は唯一無二でした。