地上波テレビでの露出が制限される中、彼女の運命を大きく手繰り寄せたのが、2016年に公開された劇場アニメーション映画『この世界の片隅に』だ。主人公・すず役の声を務めた「のん」の演技は、観客や映画批評家から極めて高い評価を獲得。作品はロングランの大ヒットを記録し、国内外の主要な映画賞を総なめにした。
声のみの表現でありながら、彼女が持っていた圧倒的な純粋さとリアリティは作品の魂となり、女優としての計り知れない潜在能力を世に知らしめた。テレビ露出に頼らずとも、圧倒的な作品性と演技力があれば観客の心に届くことを証明した瞬間だった。