日本海の荒波に面した石川県の最北端。現地を独占取材して見えてきたのは、単なるインフラ復旧の段階を超え、長期的な地域社会の再建へと舵を切った人々の姿だ。集落の再編や防災機能を強化した住宅地の整備、高台移転の推進など、能登半島の地形的特性に配慮した具体的なマスタープランが具体化しつつある。
発災直後の混乱期を脱し、現在の焦点は暮らしの質をいかに高めるかという点に移っている。仮設住宅での生活が長引く中、コミュニティの分断を防ぐための共有スペース運営や、高齢者の孤立防止策が現場主導で試みられている。現地の職人や若手事業者が中心となり、伝統的な木造建築の意匠を現代の耐震技術と融合させる新しい住宅再建の手法も生まれた。