サブカルチャーや当事者カルチャーにおいて使用されるこの用語ですが、その語源には諸説存在します。一般的に「タチ」は歌舞伎における動的な役柄である「立ち役」や、関係性において主導権を握る「立ち位置」に由来するとされています。一方、「ネコ」は横になる姿勢を意味する「寝子(ねこ)」、あるいは気まぐれで受容的な性質を動物のネコになぞらえたものという説が有力です。
この二分法は、身体的な役割にとどまらず、心理的な立ち振る舞いを示す記号としても機能します。主にネコ(受け)は受容的あるいは愛される側、タチ(攻め)は積極的あるいは護る側のパーソナリティとして解釈されるケースが多く、物語表現においても強烈なコントラストを生み出す仕掛けとなってきました。元来はLGBTQ+当事者のスラングから派生した言葉ですが、創作の世界であるBL(ボーイズラブ)作品の爆発的な普及に伴い、より一般的なポップカルチャー用語として浸透した経緯があります。