本作が単なる難病モノの枠を超えて高い評価を得た背景には、脚本を手掛けた大石静の卓越したドラマ構成力があります。大石氏は、登場人物の誰も悪者にせず、人間の弱さやエゴ、そしてそれを包み込む優しさをリアルなセリフ回しで紡ぎ出しました。病気の進行に伴うリアルな苦しみを描きつつも、どこかに必ずユーモアと生きる希望を散りばめる筆力は圧巻です。
そして、ドラマの世界観を完璧なものにしたのが、ロックバンドback numberが書き下ろした主題歌「オールドファッション」です。シンプルで飾らないドーナツ(オールドファッション)に例えられた不器用な愛のメッセージは、真司目線の心情と寸分の狂いもなくリンクしていました。
ドラマの劇中、感情が高ぶる絶妙なタイミングで流れるこの楽曲は、視聴者の涙腺を幾度となく刺激しました。歌詞に込められた「君の代わりはどこにもいない」というストレートな想いは、ドラマのテーマそのものであり、作品の感動を何倍にも増幅させる相乗効果を生み出しました。