なぜあの名曲は耳に残る?8分の6拍子曲が持つ魔力とリズムの秘密

なぜあの名曲は耳に残る?8分の6拍子曲が持つ魔力とリズムの秘密

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この拍子のルーツを辿ると、ヨーロッパの伝統的な伝承音楽や舟歌に突きあたる。とりわけアイルランド民謡の「ジグ(Jig)」と呼ばれる軽快な舞曲は、まさしくこのリズムの宝庫だ。フィドルやティン・ホイッスルが弾む躍動感あふれるステップは、大西洋の荒波と風の記憶をそのまま音にしたかのようだ。

映画『タイタニック』の劇中で描かれた三等客室の熱気あふれるダンスシーンを思い起こしてほしい。大ヒットを記録したジェームズ・ホーナー作曲のサウンドトラックでも、この伝統的なアイリッシュ・リズムが感情を揺さぶるキーとして効果的に配置されていた。さらに時代を遡れば、クラシック音楽の巨匠たちもこのリズムの虜だった。ショパンの『舟歌』やメンデルスゾーンの作品に見られる水の揺らぎの表現は、すべてこの拍子構造なしには生まれ得なかった芸術表現である。

中川 明日香
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中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。