この未曾有のパニックと極限の心理戦は、後世の映画・映像産業にも決定的な影響を与えた。名優・三國連太郎の鬼気迫る演技が語り草となっているドラマ『羆嵐』は、暗闇のなかで壁を突き破る巨大な爪と人々の狂乱を生々しく描写し、当時の視聴者にトラウマ級の衝撃を与えた。さらに千葉真一がメガホンを取り、過酷な自然との闘争をダイナミックに描いた映画『リメインズ 美しき勇者たち』は、パニック・サスペンスとしての緊張感と野生の脅威を融合させた骨太なエンターテインメントとして今なお高く評価されている。
これらの作品群は、単なるスリラーの枠を超え、自然の領域を侵犯した文明社会への根源的な問いを投げかける。現在では、過去の傑作ドキュメンタリーや映像記録がNetflixやNHKオンデマンドなどの動画配信サービスを通じて容易に視聴可能となり、若い世代の間でも再検証が進んでいる。事実を風化させず、生態のリアルを伝える報道・ジャーナリズムの視線は、映像カルチャーの隆盛とともに新たな防災意識の形成へと受け継がれている。