土砂や瓦礫に埋没した際、生存率を左右する最大の要素は「呼吸の確保」と「経過時間」です。災害医学やレスキューの現場では、埋没事故における助かる確率のタイムリミットが明確に示されています。
土砂崩壊や雪崩による生き埋め捜索救助の統計データによると、口や鼻が完全に塞がれた窒息状態では、発災から約15分〜18分以内に救出されなければ生存率は著しく急落します。土砂の重量によって胸部が強く圧迫されると、呼吸運動そのものが物理的に制限され、わずか数分で不可逆的な低酸素脳症に陥る危険があります。
一方、空間(エアポケット)が確保されている場合であっても、低体温症や脱水、全身の圧迫による影響が刻一刻と進行します。災害救助で広く知られる「72時間の壁」は生き埋め事故にも当てはまりますが、砂や泥のように密度が高い物質に埋もれた場合は、72時間を待たずして数時間から半日程度で生存の限界を迎えるケースが大半です。