旧暦において「睦月(むつき)」と呼ばれる第1月は、現在の太陽暦(新暦)と毎年およそ1カ月前後のズレを生じる。基本となるのは、月の満ち欠けを基準に太陽の運行を組み合わせた「太陰太陽暦」だ。新月となる日を毎月「一日(ついたち)」と定め、そこから約29.5日の周期で1カ月を刻む。
今年のサイクルにおいて、旧暦元日は2月中旬(2月17日)に巡ってくる。新暦の1月1日にはまだ厳冬の冷気が支配的だが、この旧暦の正月に至ると、光の強さや風の匂いに確かな春の兆しが混ざり始める。新暦とのズレは単なる日付の不一致ではない。地球と月と太陽が織りなす天体運動のダイナミズムをそのまま写し取った結果なのだ。
かつて人々は、家族や親族が仲睦まじく集い合うことからこの月を睦月と呼んだ。厳冬を耐え忍び、互いの無事を喜び合う時期としての実感は、2月半ばのこのタイミングにこそ真に重なり合う。