本作の原点となったのは、ジャーナリスト豊田正義による入念な取材に基づいた同名のノンフィクション作品である。著者は生存者の証言や当時の軍関係資料を徹底的に洗い出し、封印されていた「玉音放送後の特攻」の真実を掘り起こした。
原作や取材資料が明かす裏側には、ドラマの尺には収まりきらなかった切実な秘話が眠っている。出撃前夜、隊員たちが交わした遺書の数々、そして女性を機体に載せることに対する部下たちの複雑な心境と葛藤。さらに、出撃機を見送った地上兵たちの目撃証言など、事実はフィクション以上に凄惨であり、同時に人間味に満ちていた。歴史の影に隠された事実を正確に記録しようとした執念が、この作品に揺るぎないリアリティを与えている。