努力や根性論だけでは説明がつかない深刻な散らかりには、神経発達症(発達障害)の特性が関係しているケースが報告されています。特に近年、成人女性における部屋が汚いとADHD(注意欠如・多動症)の関連性が精神医学の現場で注目を集めています。
ADHDの代表的な特性である「不注意」「実行機能の弱さ」「衝動性」は、片付けのプロセスにおいて以下のような支障を引き起こします。
- ワーキングメモリの制限:複数の作業を同時に進行できず、引き出しを開けた瞬間に別のモノに気を取られ、元の片付けを忘れてしまう。
- 視覚的注意の拡散:「目に見える場所にモノがないと存在を忘れる」ため、すべての私物を机や床の上に並べてしまい、結果としてカオス化する。
- 過集中と燃え尽き:興味のあることには何時間も没頭する半面、興味のない単純作業(ゴミ捨てや皿洗い)には一切着手できない。
こうした特性を持つ女性が「自分は怠けているダメな人間だ」と過剰に自分を責めると、二次障害としてうつ病や適応障害を併発するリスクが高まります。片付けられない原因を正しく切り分け、医療機関や専門のカウンセリングに相談することが根本解決への第一歩となります。