なぜ今カート・コバーンなのか?再沸騰するグランジ系最新攻略法について専門的な視点から解説いたします。最新の情報をお届けします。

時計の針を30年以上巻き戻してみよう。1990年代初頭、アメリカ・シアトルのインディペンデントレーベル「サブ・ポップ」を中心に巻き起こった歪んだギターサウンドの荒波。それがグランジ・ロックだった。パンクロックの虚無感とヘヴィメタルの重厚さをブレンドした音像は、当時のオルタナティヴ・ロック全盛期の引き金となった。

その渦中で時代の顔となったのが、ニルヴァーナのフロントマンであったカート・コバーンだ。古着屋で買ったようなヨレヨレのモヘアカーディガン、破れたデニム、履き潰したスニーカー。ステージ上の彼が身にまとっていたのは、ハイブランドの洗練とは真逆の「日常の着古し」に過ぎなかった。しかし、その飾らない身なりこそが、当時の若者たちの居場所のない苛立ちと完璧に同期したのだった。