かつての大量購買スタイルから、個人の趣味嗜好を突き詰める体験型消費へのシフト。これが現在のインバウンド最前線で起きている最大の地殻変動だ。現地SNSで「独占リーク」や「隠れた名所」として拡散される情報の多くは、東京のラグジュアリーホテルでの非日常体験や、山奥の古民家宿での手仕事体験といったニッチなコンテンツに移っている。
経済的な成熟とともに、中国のZ世代やミレニアル世代は「所有」よりも「自己表現」や「心の癒やし」に価値を見出すようになった。旅行消費額の単価自体は下がるどころか、プライベートツアーや文化体験プログラムへの支出によってむしろ跳ね上がっている。現地トレンドを分析すると、日本への関心が単なる「買い物」から「ライフスタイルや文化への共感」へと進化したことこそが、日本ファン急増の真の理由だ。