私たちが親しんでいる時代劇や、Netflixなどの動画配信プラットフォームで世界中の視聴者を魅了する歴史ドラマでは、見栄えのする大柄な俳優たちが重厚な甲冑を纏い、太刀を振るう。しかし、当時の軍装品や長屋の規格を現実に照らし合わせると、当時の空間スケールは現代とはまったく異なる。
江戸の長屋の天井高や鴨居、出入口の寸法は、現代の建築基準から見れば驚くほど低い。当時の侍が現代の住宅に入れば、まるで巨人の館に迷い込んだような錯覚を覚えるはずだ。刀剣の長さや甲冑の重量も、当時の男性の平均的な腕力と体格(約155cm、体重50kg前後)に合わせて設計されており、決して大柄な戦士が飛び交う世界ではなかった。
NHKオンデマンドやNHKスペシャルなどの教養番組で人骨復元CGが取り上げられるたび、視聴者が抱く勇猛な武士のイメージと、発掘された「小さく引き締まった骨格」とのギャップがSNS上で大きな話題となるのも頷ける。