大手美容クチコミサイトやSNS、美容師への聞き取り調査を行うと、ツヤ髪を目指して挫折した一般ユーザーの切実な声が浮き彫りになります。都内の美髪特化型サロンで月間300人以上のカウンセリングを担当するトップスタイリストは、次のように現場の実態を証言します。
「初回来店されるお客様の8割以上が『髪が傷んでパサついているから、重めのオイルやトリートメントを大量につけている』とおっしゃいます。しかしスコープで頭皮と毛髪を観察すると、過剰なシリコンや植物油脂が酸化して毛髪表面にこびりつく『ビルドアップ現象』を起こし、かえって光を吸い込んで鈍く濁った質感になっているケースが目立ちます」
知恵袋やコミュニティ掲示板を調査しても、「高額なヘアオイルをベタベタになるまで塗ったのに、束感が出るだけで天使の輪にはならない」「ツヤを出すためにアイロンを200℃で毎日滑らせていたら、1か月後に毛先がチリチリになり完全に光を失った」といった失敗談が多数報告されています。良かれと思って行った自己流のアプローチが、皮肉にもキューティクルを炭化させ、光の正反射を阻害する悪循環を招いているのです。
ネット上に飛び交う「これ一本で誰でも天使の輪」といった煽り文句に飛びつき、自身の髪質(太さ・硬さ・くせの度合い)を無視した製品選びを繰り返す消費者の迷走が、現代のヘアケア市場における深い影となっています。