1960年代初頭のパリ、カルチエ・ラタンの一角を占めるサン=ジェルマンデプレ地区。アーティストや知識人たちが夜な夜な集い、情熱的な議論を交わしていた伝説のナイトクラブが「バー オルフェオン」だった。この店は、ブランドの3人の創業者であるデスモンド・ノックス=リットやイヴ・クエロンらが足繁く通い、クリエイティブな構想を温めた場所でもある。
創業60周年を記念するコレクションとして企画された際、すでに姿を消していたその伝説的空間を香りで再構築する試みが始まった。活気あふれる店内に充ちていたウッドの重厚感、カクテルの香り、そして人々の残り香。記憶の断片を手繰り寄せるように生み出された香りは、まさに時空を超えたタイムトラベルと言える。