日の丸のデザイン自体は、近代に突如生まれたものではありません。その歴史は千数百年以上前にさかのぼります。
現存する記録で最も古いとされるのは、701年(大宝元年)の文武天皇の朝賀の儀式で用いられた「日像(にちぞう)の旗」です。金色の丸を掲げた旗が立てられ、これが日の丸の原型のひとつと伝えられています。
武家社会において決定的な役割を果たしたのが、12世紀末の源平合戦です。平氏が「赤地に金丸」の旗を掲げたのに対し、源氏が「白地に赤丸」の旗印を採用して勝利を収めました。勝者となった源氏が幕府を開いて以降、白地に赤丸は「天下統一の正統な証」として歴代の武将たちに崇められるようになります。
戦国時代には、織田信長や豊臣秀吉、徳川家康、武田信玄といった錚々たる武将たちが、戦勝祈願の縁起物や軍旗の意匠として日の丸を好んで用いました。現存する最古級の日の丸(御旗)は、山梨県の雲峰寺に武田家の家宝として今も大切に保管されています。