ナランチャの最期を語るうえで避けて通れないのが、ポルナレフのスタンド「シルバー・チャリオッツ・レクイエム」による暴走劇だ。周囲の人物の魂が強制的に入れ替わる混乱の中、ナランチャの魂はジョルノ・ジョバァーナの肉体へと宿っていた。
読者が「これからどうなるのか」と息を呑んで見守る中、死はあまりにも前触れなく訪れる。コマとコマの隙間、時間の跳躍(キング・クリムゾン)の瞬間に、ナランチャは鉄格子へと突き刺され、息絶えていた。敵の姿すら見えず、必殺技の応酬もない。少年漫画の常識である「最後の言い残し」すら許されないまま命を奪われた演出は、当時の読者に計り知れないショックを与えた。
しかし、この言葉少なな唐突さこそが、ディアボロという男の絶対的な冷酷さと、時間の吹き飛ばしという能力の凶悪さをこれ以上ないリアリティで証明していた。