保健室には、体の不調を理由に来室する子どもがいます。けれど、話を聞いてみると、悩みの中心は別のところにあることがあります。教室に入るのが怖い。特定の友人と会いたくない。家庭で落ち着けない。自分の見た目が気になって仕方がない。SNSの通知に疲れている。こうした声は、珍しいものではありません。
思春期の悩みは、大人が想像するより複雑です。本人も何が苦しいのか説明できないことがあります。だからこそ、保健室での最初の対応は「原因を決めつけないこと」が大切です。腹痛だから内科的な問題だけ、泣いているから友人関係だけ、と急いで分類すると、子どもは口を閉ざしてしまうことがあります。
学校には、担任、学年主任、養護教諭、スクールカウンセラー、特別支援教育コーディネーターなど、さまざまな立場の大人がいます。一人の教職員だけで抱え込まず、情報を必要な範囲で共有し、本人の安全と尊厳を守りながら支援を組み立てることが求められます。