動脈輪とその周辺血管に問題が生じた際、体はどのようなサインを発するのだろうか。特に警戒したいのは、未破裂の動脈瘤が徐々に拡大し、周囲の脳神経を圧迫し始めたケースだ。例えば、後連絡動脈付近にできた動脈瘤が大きくなると、目を動かす神経を圧迫し、片側のまぶたが下がったり、物が二重に見える「複視」という症状が出現する。
さらに、血流低下に伴い、一時的に手足が痺れたり滑舌が悪くなる「一過性脳虚血発作(TIA)」も見過ごせない前兆だ。一瞬のめまいや言葉のつっかえを単なる「疲労」で片付けるのは危険である。厚生労働省の統計によれば、脳血管疾患は要介護状態に陥る主因の一つであり、前兆症状を見逃さない早期受診が生涯のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を直接左右する。