日本中を爆笑の渦に巻き込んだ名フレーズ「なんて日だ」は、計算し尽くされた戦略から生まれたものではない。むしろ、絶望的な日常と理不尽に対する本音の叫びだった。バイきんぐが売れずに喘いでいた長年の極貧時代、バイトと劇場を行き来する日々の中で、予期せぬトラブルに見舞われるたび、小峠英二の口から吐き出されていた言葉が原点である。
舞台上のコントでこのフレーズが炸裂した瞬間、客席の空気が一変した。単なる台詞ではなく、彼自身が舐めてきた辛酸と感情の昂ぶりがそのまま声の圧となって届いたからだ。日常の不条理を笑いへと昇華させる彼のセンスは、苦劇を喜劇へとひっくり返す強力な武器となった。