1969年の第1作公開から1995年の第48作、そして特別編や第50作に至るまで、寅さん歴代マドンナ一覧を振り返ると、まさに日本映画界のオールスター名鑑そのものです。第1作『男はつらいよ』で柴又の御前様の娘・冬子を演じた光本幸子から始まり、当時のトップ女優たちが競うように葛飾柴又の地を踏みました。
昭和名女優一覧と呼ぶにふさわしい顔ぶれの中には、吉永小百合(第9作・第13作)、八千草薫(第10作)、岸惠子(第12作)、松坂慶子(第27作・第46作)、大原麗子(第22作・第34作)、いしだあゆみ(第29作)、樋口可南子(第35作)など、各時代を象徴する圧倒的なスターが並びます。さらに第42作以降は後藤久美子演じる及川泉が甥の満男のマドンナとして登場し、シリーズに新たな風を吹き込みました。
また、旅先のマドンナとは別に、シリーズ全編を通じて寅さんを無条件の愛で迎え入れ、時に厳しく叱咤した妹・さくら役の倍賞千恵子の存在を忘れてはなりません。柴又「とらや(のちにくるまや)」で繰り広げられる兄妹の濃密な絆こそが、マドンナたちの華やかさをより一層際立たせる揺るぎない土台となっていました。