作中でシンが着用している最も有名なアイテムといえば、両サイドに長いイヤーフラップ(耳当て)とタッセル紐が垂れ下がったボリュームのあるニットキャップです。矢沢あい先生による繊細なキャラクター衣装設定を紐解くと、この帽子のルーツは「Vivienne Westwood(ヴィヴィアン・ウエストウッド)」のフライングキャップに行き着きます。
ヴィヴィアン・ウエストウッドは、1980年代初頭の「Worlds End(ワールズ・エンド)」期からアイコニックな耳当て付きニット帽やボンバーキャップを数多く発表してきました。シンが被っているアイテムは、ブランドを象徴するオーブ(ORB)モチーフの配置やニットのざっくりとした編み目、頭頂部のポンポンに至るまで、当時のUKパンクとクラシックなフライングハットを巧みに融合させたデザインが忠実に反映されています。
作者の矢沢あい先生自身がヴィヴィアン・ウエストウッドの熱狂的なコレクターであり、作中のスタイリングは単なる架空のファンタジーではなく、実在するコレクションの空気感を丹念にサンプリングして描かれていることがファンの間でも広く知られています。