離婚発表当時、彼女が寄せたコメントには深い哀しみとともに、前を向く確かな強さが滲み出ていた。長年連れ添った相手の裏切りは、どんな人間にとっても心に深い傷を残す。しかし南野陽子は、カメラの前で一切の愚痴や弱音を吐かなかった。
舞台やドラマの現場で見せるプロ意識は徹底しており、周囲のスタッフや共演者へも一切の配慮を怠らなかったという。プライベートの痛みを仕事のクオリティに持ち込まない姿勢は、業界内での信頼をさらに確固たるものにした。
苦難を糧にして芸の肥やしに変える。まさに往年のスターが持っていた「潔さ」と「覚悟」を、彼女は現代の表現者として鮮やかに体現してみせたのである。