難波の近代建築史において、最大の転換点となったのが南海ターミナルビル再生計画だ。老朽化した旧南海会館ビルの建て替えという単体プロジェクトにとどまらず、ミナミ全体の都市動線を再定義する大規模な都市再開発として構想された。設計を手掛けた株式会社日本設計と、施工を担った株式会社大林組による卓越したエンジニアリングは、1日数十万人が行き交う巨大ターミナルの機能を一切止めることなく、この超高層複合商業ビルを現出させた。
過密なターミナル直上という難度の高い敷地条件を克服した構造設計は、日本の不動産業界でも極めて高く評価されている。外観デザインは、南海電鉄の歴史的アイデンティティと未来志向のシャープさを融合。重厚な基壇部から空へと伸びるタワーの垂直ラインは、難波のスカイラインを劇的に塗り替えた。