離婚後、南果歩は自著やエッセイ、インタビューを通じて、当時の極限状態とそこからの再生プロセスを率直に発信しています。自伝的エッセイ『乙女のおみあし』をはじめとする著作では、夫の裏切りに直面した際の心身の崩壊が痛切な筆致で描かれています。
「朝起きても体が鉛のように重く、涙が止まらない」「自分の存在意義そのものを否定されたように感じた」と述懐する通り、乳がんという生命の危機とパートナーの喪失という二重のトラウマは、彼女から一時的に生きる意欲を奪いました。ネット上やSNSでは、闘病中の女性たちから「同じ立場で胸が張り裂けそうになった」「あまりにも残酷なタイミング」と同情と怒りの声が相次ぎました。
そうした暗闇から彼女を救い出したのは、「他人の評価や夫の妻という肩書ではなく、一人の表現者として生き直す」という決意でした。アメリカ・サンフランシスコでの短期留学や、舞台への復帰、友人たちの温かい支えを受けながら、自らの傷を隠さず言葉にしていくことで、南果歩は精神的な再生を果たしていきました。