日本の動画配信カルチャーを牽引してきた黎明期、市場の成長を一身に背負っていたのがマルチチャンネルネットワーク (MCN)である。HIKAKINやはじめしゃちょーといったトップランナーを擁し、シーンの象徴として君臨してきたUUUM株式会社の台頭は、個人の趣味に過ぎなかった動画投稿を一気に巨大な産業へと押し上げた。
だが、クリエイターエコノミーの拡大に伴い、プラットフォームの勢力図もマネタイズの手法も複線化した。YouTube一強だった時代から、縦型ショート動画を武器にするTikTokやビジュアル訴求に強いInstagramへとトラフィックが分散。それに呼応するように、タレントマネジメントのあり方も激変している。
動画制作やイベント制作に重きを置く従来型モデルに対し、コマース基盤やD2C支援、海外展開テクノロジーを前面に押し出すAnyMind Groupのような新興勢力や、若年層のカルチャー形成に特化した株式会社VAZなど、エージェンシーの多様化が加速した。単に動画のアドセンス収益を分配するだけのビジネスモデルはもはや立ち行かず、事務所側にもテクノロジーや独自の収益化インフラが不可欠になっている。