事件の発端は2015年8月、東京都中野区にある閑静な住宅街のアパートだった。劇団員として活動していた女性が自室で倒れているのが発見され、司法解剖の結果、首を絞められたことによる窒息死と判明する。室内には物色された形跡や施錠をめぐる不審な点が見られ、現場の状況は即座に殺人事件であることを物語っていた。
現場へ投入された警視庁捜査一課は、周辺の聞き込みと防犯カメラ映像の精査を徹底的に進めた。膨大な映像データをコマ送りで検証し、容疑者の絞り込みを実施。遺留物から検出された僅かなDNA型や現場の足跡データが、犯人特定への強力な決め手となった。警察の執念深い捜査線上に浮かび上がったのは、同じアパートの階下に住む男だった。