母の日にカーネーションを贈る際、最も慎重にならなければならないのが「色選び」です。店頭やECサイトには赤だけでなく、白、ピンク、黄、紫、複色など多種多様な品種が並びますが、花言葉の世界には明確なタブーが存在します。知らずに選んでしまうと、感謝を伝えるはずが取り返しのつかない誤解を招く危険があります。
特に厳禁とされるのが「白色」です。発祥の歴史からも明らかな通り、白いカーネーションが持つ本来の花言葉は「私の愛情は生きている」「亡き母を偲ぶ」であり、他界した母親に対する追悼のシンボルです。母親が健在であるにもかかわらず白いカーネーションを贈る行為は、古くからのマナーを知る世代にとって「死者を連想させる不吉な行為」として強い不快感を与えます。
さらに見落としがちなのが「黄色」です。春らしい明るく爽やかな色合いから選ばれやすい傾向にありますが、西洋の花言葉において黄色いカーネーションは「軽蔑」「侮辱」「嫉妬」「愛情の揺らぎ」という強烈な否定の意味を持ちます。欧米ではキリストを裏切ったユダの服の色として黄色が忌避されてきた背景があり、現在でも贈り主の悪意を想起させる色として敬遠されます。
また、「濃い赤(深紅)」は「私の心に哀しみを」、「斑入り(絞り模様)」は「拒絶」「お断り」を意味します。日頃の素直な感謝を伝えたいのであれば、王道である「赤(母への愛・純粋な愛)」か、柔らかな「ピンク(感謝・温かい心・気品)」を選ぶのが確実です。義母への贈り物で個性を出したい場合でも、否定的な花言葉を持たないオレンジ(純粋な愛・清らかな慕情)や、近年生み出された青系品種「ムーンダスト」(永遠の幸福)を選ぶのが賢明な防衛策です。