木村一八を語る上で、父・横山やすしという存在を切り離すことはできない。家庭内では決して平穏な親子関係ばかりではなかった。破天荒を絵に描いたような父の生き様は、時に息子を激しく振り回し、時に巨大な壁となって立ちはだかった。
だが、父が51歳の若さでこの世を去ったとき、息子は誰よりも深くその死を悼んだ。不器用で、誰よりも純粋に芸に生きた父。西川きよしとのコンビで一世を風靡した父の姿を、木村一八は誰よりも誇らしく見つめていたのだ。
「親父の息子に生まれてよかった」。かつて彼が残したその一言には、愛憎の果てにたどり着いた魂の和解と、同じ表現者としての深い敬意が凝縮されている。