彼女の女優人生の原点であり、大きな試練でもあったのが、清水崇監督がメガホンをとった話題作、映画『牛首村』だ。演技未経験にして一人二役という極限の難役に挑んだ舞台裏には、並々ならぬ覚悟があった。狂気と恐怖が渦巻く異色の作品世界を全身で体現し、スクリーン越しに観客を圧倒したパフォーマンスは、ホラー映画というジャンルを超えて高く評価された。
撮影現場での彼女は、過酷なロケーションにも一切音を上げず、監督の細かい演出指示を貪欲に吸収していったという。初陣にして魅せたあの鬼気迫る表情と佇まいは、間違いなく彼女が本物の役者として歩み始めた証しだった。