なぜ木村良平さんの演技は、これほどまでに聴く者の心を揺さぶるのでしょうか。その秘密は、一般的な声優とは一線を画すキャリアの出発点にあります。
木村さんは3歳の頃に劇団ひまわりへ入団。幼少期からテレビドラマ、吹き替え、舞台などの現場で鍛え上げられてきました。マイク前で声を作る技術からスタートしたのではなく、生身の俳優として身体全体で感情を表現する経験を積んできたことが、台本に書かれていないキャラクターの息遣いや沈黙の重みを自然に生み出す土台となっています。
アニメ関係者や音響監督のインタビュー等でも、「木村さんは台本の読み込みが深く、キャラクターの意図を瞬時に汲み取って複数のアプローチを提示できる」「現場でのアドリブの切れ味が鋭く、他のキャストの芝居を巧みに引き立てる」といった証言が多数残されています。2009年の『東のエデン』滝沢朗役でのブレイク以降、2012年の第6回声優アワードで助演男優賞を受賞するなど、業界内での評価は揺るぎないものとなっています。