多くのファンに愛されていた施設が、なぜ営業終了へと追い込まれたのか。取材を進めると、単なる「利用者の減少」だけではない、構造的かつ複合的な木曽川祖父江緑地プール廃止理由が浮き彫りになってきました。
最大の要因は、開設から35年以上が経過したことによる設備の著しい老朽化です。屋外プール施設は紫外線や風雨、冬期の凍結に絶えず晒されるため、コンクリート躯体のひび割れ、配管系統の腐食、ろ過装置の機能低下が急速に進行します。特に子ども向けアトラクションの主役であった2基のウォータースライダーは、近年の厳格化された遊具安全基準に適合させるための大規模改修や部品交換に、億単位の巨額費用が必要とされる状況にありました。
さらに決定打となったのが、愛知県が進める「愛知県営プール再編計画」の基本方針です。高度経済成長期からバブル期にかけて整備された県営公園のプール群は、人口減少や少子高齢化、さらには真夏の記録的猛暑による熱中症リスクの高まりを受け、抜本的な見直しを迫られています。行政側としては、わずか夏場の1〜2ヶ月しか稼働しない維持費莫大な有料プールを税金で延命させるよりも、安心・安全に通年利用できる公園機能へシフトさせる方が投資対効果が高いという冷徹な行政判断を下したといえます。これこそが、冒険プール営業終了経緯とウォータースライダー撤去の真相です。